cHiPLC®システム

 

本製品は研究用のみ使用できます。診断目的での使用はできません。

cHiPLC®システムはチップを用いるプラットフォームです。nanoLC 400システムと組み合わせて優れた感度、カラム間再現性、並外れた操作性を提供します。

cHiPLCシステムは最大3個のミクロ流体チップに対応する「ドッキングステーション」です。フレキシブルなデザインと10ポートの内蔵ナノバルブにより、直接注入やトラップローディングといった異なるタイプの測定を簡単に切り替えることができます。

nanoLCカラムmicroLCカラム、またはトラップカラムのチップは数秒で交換することができます。cHiPLCカラムまたはトラップカラムは自動的に特殊なコネクターチップにアラインされるので、毎回、完全にデッドボリュームフリーの接続が行われます。

このアラインメントは、マイクロエレクトロニクス分野で利用されている技術と同様の、再現性の高い微細加工技術を用いて行われます。これらの技術は、流路の設定や、固定相粒子保持用堰構造の微細加工にも使用されています。再現性のある保持時間と向上した分離を保証するため、チップは温度制御されています。

cHiPLCシステム|質量分析計・LC-MS/MSシステムのSCIEX

特長

cHiPLC™-Nanoflexシステムの利点

カラムデザイン

トラップチップと分析カラムチップは、充填キャピラリーと同等以上の分離を達成できるようデザインされています(図1参照)。フューズドシリカを使用することで、充填型のnanoLCカラム及びトラップカラムの作成は可能です。しかし私たちのcHiPLCカラムは、従来のシリカ粒子を焼結させたフリットで充填剤を保持するのではなく、独特な堰構造を使って固定相粒子をカラム内に保持します。この堰構造は加工再現性が高い上、デッドボリュームがほぼゼロ(約13pL)になっています。この構造では、フリット素材で起こりがちなサンプル成分の吸着も問題になりません。




図1. nano cHiPLCカラムと従来のnanoLCカラムを使ったペプチド混合物分離の比較。どちらのカラムも15cmx75µmであり、ChromXP C18-CL 3µm 300Åが充填されています。流量は250nl/min、グラジエントスロープはアセトニトリル2%/minです。

特許取得の接続システム

チップ間の接続には、1nl未満のデッドボリュームで接続できる最大7チャネル対応の特許取得接続システムを使います。チップ接続に使用する力は設定済みなので、チップを交換ごとの調節なしに、漏れのない接続を確保することができます。

カラム間再現性の向上

nanoLCカラムまたはトラップを数秒で交換できる使いやすさに加えて、cHiPLCカラムはカラム間再現性も向上しています。どのチップも完全に同一であり、私たちの充填手順はnanoLCで最良のカラム間再現性を保証します(図2を参照)。これは、長時間かつ多数のカラムにわたって保持時間が安定していることが必要なアプリケーションに重要なことです。例えば、バイオマーカーのバリデーションにおいて、ペプチド/タンパク質同定に保持時間と精密質量を併用し、ペプチド定量にスケジュールMRMを利用する場合などがそうです。




図2. ChromXP C18-CL 3µm 300Åを充填した15cmx75µmのnano cHiPLCカラム3本で、ペプチド混合物について優れたカラム間再現性が達成されています。流量は250nl/min、グラジエントスロープはアセトニトリル2%/minです。

簡単な操作

cHiPLC-nanoflexでは、直接注入、トラップローディングおよび直接注入法でのカラム切り替え(2本まで)とを簡単に切り替えることができます。これを可能にしているのが、流体を目的の測定へと適切に切り替える流体ジャンパーチップです。このジャンパーチップはカラムおよびトラップチップと同様に簡単に交換することができます。

ナノスプレーイオンソース適合性

さらに、cHiPLC-nanoflexはすべてのEksigent nanoLCシステムおよび質量分析装置/ナノスプレーイオンソースと組み合わせて使用することができます。