ワークフローとソリューション
プロテオミクス分野を支えるパートナー企業
SCIEXとプロテオミクス分野のパートナー企業との連携により実現する、柔軟なワークフローオプション。
プロテオミクス研究の成果は、分離・クロマトグラフィーからデータ取得、データ処理に至るまで、ワークフロー全体の品質によって左右されます。そのためSCIEXは、サードパーティパートナーとの連携を通じて、研究者が自身の研究目的に最適なエンドツーエンドのワークフローを構築できる環境を提供しています。また、各コンポーネントがシームレスに連携することで、高い信頼性と再現性を備えた解析結果の取得を支援します。
Evosepは、標準化されたハイスループット液体クロマトグラフィー技術を提供し、ディスカバリー研究から大規模コホート研究まで、堅牢で再現性の高いプロテオミクスワークフローを実現します。
SCIEXとEvosepは、高度なLC技術と質量分析技術を統合し、Evosep Enoを含むEvosepプラットフォームとZenoTOFシリーズ、およびSCIEX 7500+ システムを組み合わせることで、高速・高感度・高スケーラビリティなLC-MS解析を実現します。
IonOpticksは、プロテオミクス向けの高性能LCカラムを開発しており、分離性能と再現性を向上させることで、信頼性の高いLC-MS解析を支援します。
SCIEXとIonOpticksは、高分解能質量分析(HRMS)と先進的なクロマトグラフィー技術を組み合わせています。Aurora XS Series™ カラムおよびHeatSync™ テクノロジーとSCIEX ZenoTOFシステムを統合することで、大規模プロテオミクス研究において安定性、高感度性能、そして高い再現性を実現します。
PEAKSは、Bioinformatics Solutions Inc.(BSI)が開発した、AIを活用したde novoシーケンス支援型プロテオミクス解析プラットフォームです。包括的かつ高い信頼性を備えたLC-MS/MSプロテオミクス解析を可能にします。
SCIEXのサポートパートナーとして、PEAKSはZenoTOFシステムが生成する高品質データを効率的に解析します。Zeno trapを活用した取得データ(DDA、DIA、MRM)から、高い信頼性を備えた同定結果、再現性の高い定量データ、さらに検証しやすい効率的なワークフローを提供します。
Skylineは、ワシントン大学 MacCoss Labによって開発・維持されているオープンソースの定量プロテオミクス解析プラットフォームです。複雑なLC-MSデータにおけるメソッド開発、データ可視化、アッセイ品質評価をサポートします。
SCIEXとの連携により、SkylineはSCIEXデータのシームレスな処理と定量解析を実現します。高い透明性と再現性を備えたターゲットプロテオミクスワークフローの構築を支援します。
プロテオミクス FAQ
LC MS/MSプロテオミクスとは何ですか。また、なぜLC MS/MSが現在の主流技術なのですか?
プロテオミクスとは、生体内のタンパク質について、その同定、定量、翻訳後修飾(PTM)、およびプロテオフォームを包括的に解析する研究分野です。LC MS/MSが広く利用されている理由は、高分離能の液体クロマトグラフィー(LC)と、高い特異性を持つ質量分析およびタンデム質量分析(MS/MS)を組み合わせているためです。これにより、複雑なサンプルから幅広いタンパク質情報を取得できるだけでなく、ディスカバリー解析からターゲット定量までを単一のプラットフォームで実施することができます。
ショットガンプロテオミクス(ボトムアッププロテオミクス)とは何ですか?
ショットガンプロテオミクス(ボトムアッププロテオミクス)は、タンパク質を酵素消化によってペプチドへ分解した後、LC MS/MSで解析する手法です。この手法により、複雑な生体サンプルに含まれる多数のタンパク質を網羅的に同定・定量できるほか、翻訳後修飾(PTM)の解析にも対応できます。ショットガンプロテオミクスのワークフローでは、一般的にデータ依存型取得(DDA/IDA)およびデータ非依存型取得(DIA)の両方が利用されています。
DDA(IDA)とDIAプロテオミクスの違いは何ですか?
データ依存型取得(DDA:Data Dependent Acquisition)または情報依存型取得(IDA:Information Dependent Acquisition)では、質量分析計がリアルタイムで一部のプリカーサーイオンを選択し、MS/MS解析を実施します。高い同定数を得られる一方で、大規模サンプルセットでは欠損値が発生しやすいという課題があります。一方、DIA(Data Independent Acquisition)では、Zeno SWATH DIAやZT Scan DIAのように、測定ウインドウ内のすべてのイオンを体系的にフラグメンテーションします。その結果、より包括的かつ再現性の高いデータセットが得られ、大規模コホート研究においても安定した定量解析が可能になります。データ解析は、このワークフローの中核的な役割を担います。
DIAやSWATH取得法は、プロテオミクス研究においてどのような課題を解決しますか?
DIAおよびSWATH取得法は、DDAワークフローでしばしば問題となる確率的サンプリングや欠損値の発生を低減します。各測定においてプリカーサー全体を順々に取得することで、多数のサンプル間でも安定したペプチド検出と定量を実現します。そのため、トランスレーショナル研究、臨床研究、システム生物学研究などに適したアプローチです。
ターゲットプロテオミクスとは何ですか?また、どのような場面で使用されますか?
ターゲットプロテオミクスは、あらかじめ定義したペプチドやタンパク質を対象として、高い再現性と堅牢性を持つ定量解析を行うアプローチです。トリプル四重極質量分析計を用いたMRM(Multiple Reaction Monitoring)が広く利用されており、検証研究、妥当性確認研究、規制対応研究などで活用されています。一般的には、ディスカバリー研究によって見出された候補タンパク質を、多数のサンプルにおいて定量的に評価・検証する段階で使用されます。
プロテオミクス研究にはQTOFとトリプル四重極のどちらを選ぶべきですか?
選択は研究目的によって異なります。QTOFシステムは、DDAやDIAを用いた探索的解析や網羅的プロファイリングに適しています。一方、トリプル四重極質量分析計は、ターゲットが明確に定義されている場合のMRM定量に適しています。実際には、多くの研究施設で両者を組み合わせ、QTOFによる探索研究と、トリプル四重極による検証・定量解析を連携させています。
プロテオミクス研究では、網羅性・スループット・堅牢性のバランスをどのように取るべきですか?
プロテオミクス研究では、解析深度、サンプル処理能力、運用上の堅牢性の間で常にトレードオフが存在します。ナノフローLCは最高レベルの感度と網羅性を実現できますが、マイクロフローLCや分析フローLCは高スループット研究において優れた再現性と堅牢性を提供します。成功するプロテオミクスワークフローでは、まず安定した測定性能と再現性を確保したうえで、メソッド設計やフラクショネーション、ターゲット解析などによって解析深度を最適化することが一般的です。
SCIEXは、装置感度以外にどのような観点でプロテオミクス性能を定義していますか?
実際のプロテオミクス研究において重要なのは、単純な装置感度だけではありません。分析性能はシステム全体によって決まります。クロマトグラフィーの再現性、イオン化の安定性、クロマトグラフィーピーク幅に対する十分なデータ取得速度、そして適切なデータ解析戦略など、分析システム全体の最適化が重要です。SCIEXのプロテオミクスワークフローは、このシステムレベルの視点に基づいて設計されており、実際の研究環境においても高い再現性と定量信頼性を実現できるよう最適化されています。