P/ACE™ MDQ Plus

研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。

イオン性化合物・高極性化合物の迅速かつ実用的な高分解能分離検出・定量

P/ACEシリーズは、複雑なサンプルの高速分離を可能にする、プログラム可能な自動キャピラリー電気泳動システムです。効率的な温度制御のために液体冷媒が循環する交換カートリッジに収められたキャピラリーの中で、分離が行われます。この高精度・高効率な温度制御により、高イオン強度の泳動液と大口径のキャピラリーを使用でき、難しいサンプルの分析も可能です。キャピラリー電気泳動法を用いることで、より迅速なメソッド開発が可能となるほか、バリデーションが容易になり、また実験コストの削減にもつながります。それぞれのアプリケーションの性能を最適化するために、様々なディテクタが利用できます。

まさにすべての研究者/分析者が目標を達成しうる、理想的な解析テクノロジー。

P/ACE MDQ Plus

特長

サンプル温度制御機能、波長選択式(UV)ディテクタを搭載したB52521キャピラリー電気泳動システムP/ACE™ MDQ Plus、フォトダイオードアレイ(PDA)ディテクタおよびレーザー誘導蛍光ディテクタオプション

このシステムは、波長選択式の高感度モジュール型紫外/可視ディテクタ(200、214、230および254nmフィルターでそれぞれのアプリケーションを最適化)、UVランプ、サンプル温度制御機能、およびPCコントローラインストール済32 Karat™ソフトウェアから構成されます。また、据付時適格性確認(IQ)、稼動性能適格性確認1(OQ1)、ソフトウェアバリデーションのための文書が含まれます。

特長

  • Built-inオートサンプラ(高自由度バイアルアクセス)機構 / 36ペアの泳動液アレイ
  • 専用クーラントによる高効率・高精度キャピラリー温度制御
  • 必要な倍あるだけが対象となるサンプル温度制御(冷却/保温)機能
  • 交換可能な統合されたディテクタモジュール(波長選択式(UV)ディテクタ)
  • 36ポジションの泳動液アレイによる完全自動メソッド開発・最適化
  • モジュール型ディテクタモジュールシリーズ(オプション):フォトダイオードアレイ(PDA)ディテクタ・レーザー誘起蛍光(LIF)ディテクタ(シングルまたはデュアル蛍光波長検出)
  • CAESARデータ解析アルゴリズム
  • 標準物質の自動同時注入機能
  • 多様なサンプル注入モード(電気的導入、加圧、吸引)
  • キャピラリー加圧・吸引機能(圧力値可変式)
  • 頑健性のあるサンプルインターフェース
  • サンプル容器のバラエティ(バイアル・マイクロサンプルバイアル・96ウェルプレート)
  • 完全自動泳動プログラム
  • イージーメインテナンス
  • アプリケーション:
  • イオン分析
  • 塩基性薬物分析
  • オリゴヌクレオチド純度試験
  • プラスミド分析
  • SSCP分析
  • 蛍光プローブのダイレクト・ハイブリダイゼーションによる核酸定量分析

厳しい分析要求を満たす、頑健なサンプル注入デザイン

オートサンプラ(高自由度バイアルアクセス)機構 - P/ACE MDQ Plusでは、オートサンプラ完備です。泳動プログラムに従って全自動で様々な順序で、そして多様な注入条件で、サンプル注入できます。

  • 1.8mLユニバーサルバイアル、96ウェルプレートおよびマイクロバイアルからサンプルを注入できます。
  • 精密成形ポリメチルペンテン製ユニバーサルバイアルに泳動バッファーや洗浄液、また内部にマイクロバイアルをセットして微量のサンプルを入れられます。

クイックチェンジ電極 - 電極とバイアルキャップオープナーは、装置本体において唯一サンプルや泳動液に接触する部分です。P/ACE MDQ Plusのこれらの部分は十分な強度と確実性を確保するとともに、容易な着脱でメンテナンスにも便利なデザインです。 

ユニークなバイアルキャップとバイアルアクセス機構のデザイン - キャピラリーおよび電極がバイアルキャップと相互に接触するのを防ぎ、密閉性を向上させるとともに、頑健で清潔なサンプルインターフェースをP/ACE MDQ Plusではデザインしました。 

サンプルインターフェース - 頑健性を備えた圧力シールにより加圧応答を確実にし、正確で再現性の高いデータが得られます。

Built-in機能の数々:オートサンプラ・キャピラリー加圧・吸引・サンプル冷却/保温・キャピラリー温度制御

キャピラリー温度制御 - 効率よいCE分離を支えているのは、正確なキャピラリー温度制御を伴うキャピラリー内のジュール熱の管理/抑制機能です。適切な温度制御は分析再現性に重要な役割を果たします。

  • P/ACE MDQ Plusでは循環液体クーラントにより、超高効率なキャピラリー放熱/温度制御がなされます。
  • キャピラリー温度は15~60°Cで制御可能です。
  • キャピラリーは温度制御を確実にするために、またサイズや内表面コーティングの変更が簡単なように、カートリッジにセットされています。

サンプル冷却/保温機能 - サンプルの安定性の維持や機能的アッセイも実施できるように、4~60°Cの温度設定が可能です。


多様なサンプル導入・分離モード - P/ACE MDQ Plusでは、サンプルはどちら側からでも電圧・加圧・吸引により導入できます。電圧・加圧・吸引はどちらの方向にも作用します。キャピラリーのどちらの方向へも泳動できることから、超高速及び高分解能の解析が可能になります。

  • 電圧または電流設定を調整し、加圧または吸引機能を併用・調整することで、最適な分離条件を導きます。
  • 電圧印加と圧力を併用することで、泳動中の泳動液からの気泡発生を抑制できます。

可変式のキャピラリー加圧・吸引機能 - -5~100psi.の範囲で圧力制御が可能です。

  • オートサンプラ機能と組合せ、適切な再生液・洗浄液・泳動液で、適切な量で、適切な順序でキャピラリー洗浄・コンディショニングできます。
  • 高粘度のゲルバッファーでも迅速かつ効率よくキャピラリー内に充填されます。

CE-MSにも対応 - キャピラリー電気泳動-質量分析(CE-MS)法は、CEの高分解能分離と超低流量送液を、MSの高感度質量決定と組み合わせた手法です。P/ACE MDQ Plusは本体右側にアクセスパネルを備え、MSと直接接続に備えています。CE-MS法でもキャピラリー温度制御が可能です。

多くのユーザーのご協力を得て、SCIEXキャピラリー電気泳動法(CE)テクノロジーの様々な応用事例が、学術研究・工業/化学分野・低分子医薬品開発/品質管理で積み上げられています。

法科学/薬物スクリーニング - P/ACE MDQ Plusは、塩基性医薬品の分離分析に優れています。これらは液体クロマトグラフィー法ではカラム吸着などにより分析が困難ですが、CE法では高分離能が得られます。 分離と検出時間の安定性も高く、頑健性・耐久性も備えており、法中毒学におけるスクリーニングに適しています。

図:20種類の塩基性薬剤の高分解能分離。低pH泳動液を用いての泳動条件下で、キャピラリー表面は電気的にほぼ中性であり、試料のアミノ基は最大限にイオン化され、良好な分離を示します。

食品・飲料の製品試験 - P/ACE MDQ Plusは、食品・飲料の分析を包括的にサポートします。陰イオン、陽イオン、有機酸など各種成分の含有量と、タンパク質の完全性・多様性の詳細な分析が可能であり、製造プロセス管理、最終製品の味・品質・保存条件・安全性・熟成度合のチェック、および確認試験として応用できます。

図:白ワインの分析。味と風味に影響する成分の定量が可能です。

石油化学製品応用 - アニオン/カチオンの分析により、石油から合成される化学製品及び関連製品の深い理解が可能になります。PETボトルの原料でもあるテレフタル酸、特に高純度な精製テレフタル酸(PTA)とそのエステルは各種合成樹脂および繊維(ポリエチレングリコール、ポリエステルなど)の主成分として重要です。PTAの純度は最終製品の品質と色に直接影響を及ぼします。

図:テレフタル酸不純物試験への応用。P/ACE MDQ Plusシステムを使用すれば、高感度・高再現性・高分解能な分離分析が迅速に行われ、PTAとその主要不純物の分離・定量できます。

バイオ燃料への応用 - P/ACE MDQ Plusにおけるイオン分析は、バイオ燃料製造にも適用されています。リグノセルロース系バイオマスの発酵によるエタノール産生 [1] は補助化石燃料の代替製造経路の一つとして注目されています。キャピラリー電気泳動法によるイオン分析・タンパク質純度アッセイ・等電点電気泳動分析、そして糖類分析は、エタノール製造の発酵・精製プロセスのモニタリングにとって極めて有益です。

図:キャピラリー電気泳動によるリグノセルロース系バイオマス中の有機酸類、および有機酸由来物質の分析。

水質/環境試験 - 水の需要が増え続ける中、水サンプル中の不純物や混入汚染物質を迅速かつ効率よく同定することは、水供給の安全性・安定性を管理する上で重要です。また、水は半導体生産や金属メッキプロセスにおいても重要な構成要素であり、原子力発電所やパルプ・製紙工場でも大量に使用されています。P/ACE MDQ Plusは、腐食をもたらす含有成分とともに下流での環境汚染を引き起こす混入物を同定・測定できます。

図:P/ACE MDQ Plusによる水中の無機陰イオン分析。5分以下の泳動で分離・同定が可能です。

仕様

システム仕様書

本体寸法
高さ:29.2インチ(74.2cm)
扉開放時:38.8インチ(98.6cm)
幅:25インチ(63.5cm)
奥行:28.4インチ(72.1cm)

重量:
188lbs(85.3kg)(波長選択式(UV)-検出器を含む)

電源:
電圧:100~240V、50/60Hz
印加電圧範囲:1~30kVまで設定可能(0.1kV刻み)

印加電流範囲:
3~300μAまで設定可能(0.1μA刻み)

加圧範囲:
-5~+100psi

サンプル温度制御範囲:
4~60°C

キャピラリー温度制御範囲:
15~60°C

システムキャパシティ

サンプルトレイ:
2x96ウェルプレート
2x48ユニバーサルバイアル
2x48 0.2mlサンプルバイアルまたはマイクロチューブ

バッファ用トレー:
2x36ユニバーサルバイアル

検出器

波長選択式(UV)(標準装備)
200、214、230、254nm標準フィルタ
190~600nm(カスタムフィルタオプション)

ダイオードアレイ(オプション)
190~600nm設定可能
0.5~32Hzスキャンデータ収集頻度(設定可能)

レーザ誘導蛍光(LIF)(オプション)
300~700nm励起範囲
350~750nm放出範囲
0~1000RFU

出力3mWレーザービーム(オプション):
488nm固体レーザー

試薬
アニオン分析キット:A53537
カチオン分析キット:A53540
LIFluor dsDNA エンハンス1000:477409
dsDNA 1000 キット:477410
ssDNA 100-R キット:477480
キャピラリーパフォーマンスキット:338437

消耗品と付属品
ユニバーサルバイアル:A62251
0.2mLサンプルバイアル(pkg of 100):144709
ユニバーサルバイアルキャップ:A62250
電極(交換用1本):A47775
バイアルオープナーインターフェイスキット:A95348
バッファバイアルトレー(36バイアル):A58254
バイアルトレー(48バイアル):A58255
カートリッジ組込み済キャピラリー(30cm):A11147
キャピラリーカートリッジキット:144738
キャピラリーカートリッジ作成キット:144645
クーラントチューブセット:144689
クーラント(キャピラリーカートリッジ用450mL):359976