Simultaeous detection of large screens of DBPs
消毒副生成物(DBP)などの高極性、イオン性、不揮発性および熱不安定性の化合物の分析には、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)が理想的です。
安全な飲料水の供給には、病原性微生物を不活化し水媒介性疾患を防ぐための消毒が必要ですが、その結果としてDBPが生成し水中に残存します1。一般的な消毒工程として塩素処理、クロラミン消毒、オゾン処理およびUV照射が挙げられます。水中に存在する可能性のある臭化物、ヨウ化物、バックグラウンド汚染物質などの天然有機物質との反応がこれらの工程において生じ、DBPが生成される可能性があります。このためDBPの生成は通常、河川、湖、水路などの表流水を使用する水処理システムにおいてより深刻な問題となっています。
ヒトおよび野生動物において、DBPの発がん性や、発生異常および生殖異常を引き起こす可能性が研究により明らかにされてきており、科学者にとってDBPを同定し理解を深めることは非常に重要です2-4。これまでに、n-ニトロソアミン(NDMA)、トリハロメタン(THM)、ハロベンゾキノン(HBQ)およびハロ酢酸(HAA)を含む600種類を超えるDBPが報告されています5。しかし、天然有機物質との化学反応の出発物質はほとんどの場合で未知であるため6、解析は困難です。未知物質の包括的なノンターゲット解析を可能にし、DBP曝露の完全な特性解析を行うためにはまだまだ多くの研究が必要です。一般的にこれらの物質の検出には誘導体化および複数の抽出工程が必要とされ、そのために長時間を費やさなければならない可能性があります。
既知のDBPを定量し未知のDBPを解明する
LC-MS/MSでは、検出前にイオンクロマトグラフィーを使用した分離を行うことができます。つまり、これらの汚染物質の解析において誘導体化の工程を省略することができます。さらにLC-MS/MSは、分析種の分子量、熱的特性または揮発性に制約/制限されることなく、既知の一般的なDBPの検出ならびに未知のDBPの検討に使用できる多様性を備えています。このため、LC-MS/MSは、水中のDBPをモニターし、ヒトに有害となる可能性のある化学的危害や発がん物質が消毒工程により生じないことを保証するための重要な技術として使用されています。
Simultaeous detection of large screens of DBPs
飲料水中の8種類のニトロソアミン消毒副生成物を検出できる簡単かつ迅速な方法をご紹介しています。
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Determination of haloacetic acids, bromate, and dalapon in drinking water by LC-MS/MS | ダウンロード |