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- SCIEX アレルゲン前処理にてLC-MSでの分析に適したPTS法の適用を確認 熊本大学との共同研究
SCIEXは、熊本大学との共同研究により、熊本大学大学院生命科学研究部(薬) 増田豪先生開発によるPTS法(相間移動溶解剤を用いたショットガンプロテオミクスアプローチ)の、アレルゲン分析前処理への適用を確認しました。PTS法は、LC-MSでのプロテオミクス分析に適した前処理法で、効率的に食品中のアレルゲンの抽出を行うことができます。
今日、食物アレルゲンの定量測定にはELISA が一般的に使用されています。しかし、ELISA において食品からの効率的なアレルゲン抽出に使用されるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は、LC-MSには適合せず、また現在の質量分析(MS)ベースの方法では、SDSよりも可溶化能力の低い抽出バッファーを用いているため食品中のアレルゲン抽出は困難でした。
今回検証した結果、PTS法を用いることで、SDSと同等の抽出効率で小麦粉から小麦タンパク標準品を抽出・調整できることが確認できました。また調整された小麦タンパク標準品を用い、同じくPTS法にてカレーペースト中の小麦タンパクを検出・定量できることが確認できました。今後は、カレーペースト以外のその他の食品サンプルでも確認を続けてまいります。
なくならない食品表示法違反の回収事例、「複数アレルゲン一斉分析」で安全性向上
食物アレルギーには完全な治療方法がなく、原因となるアレルゲンの摂取を回避することが最も有効な手段です。そのため、正確なアレルゲンの表示こそがアレルギー患者にとって安心して食べるための重要な指標となります。食品表示法では「特定原材料」7品目の表示を義務付けるとともに、「特定原材料に準ずるもの」21品目については表示を推奨していますが、表示違反による食品の回収事例が後を絶ちません。 表示違反の原因としては、記載漏れ、製造ミス、意図しないアレルゲンの混入、アレルゲン検査の誤判定などが挙げられます。現行のELISA法をはじめとする個別分析と比べ、 LC-MSによる分析法は複数のアレルゲンを一度に検査できるため意図しないアレルゲンの混入検査に適している、偽陽性・偽陰性のリスクが低いなどの理由から、より正確な食品表示につながると我々は考えています。
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SCIEX社は、ライフサイエンス分野において、50年近くに渡って分析技術の革新を進める質量分析計のグローバルリーダーです。研究者・科学者が直面する複雑なサイエンスの問題を解決し、世界をより住みやすい場所にするため、世界トップレベルのテクノロジーを開発しています。技術の活用分野は多岐にわたり、ライフサイエンス分野の基礎研究、創薬・医薬品開発、食品・環境検査、法医学・臨床研究など、幅広い分野にて最適なソリューションを開発するべく、質量分析装置、ソフトウェア、テクニカルサポート・サービスの提供に注力しています。詳しくはsciex.jpをご覧下さい。
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本件に関するお問合わせ先 株式会社エービー・サイエックス 事業戦略推進本部:jp_sales@sciex.com |