SCIEXがバイオ医薬品特性解析の包括化に新しいファーストグリカンラベリング解析キットを発売

従来の方法と比べ、最短で1/5の時間でN-結合糖鎖種の変化を検出できるソリューション

January 24, 2017

マサチューセッツ州フラミンガム — ライフサイエンス分析技術の世界的リーダーであるSCIEXは、バイオ医薬品の特性解析に使用する糖鎖定量分析用の新製品としてファーストグリカンラベリング解析キットを発売したことを本日発表しました。このキットは、糖鎖の急速な切り出しとラベリング、迅速な分離と定量化、即時の糖鎖同定によってラボのワークフローを加速し、時間のかかるサンプル調製やデータ解析から研究者を解放します。

ファーストグリカンラベリング解析キットは平均1時間に最大96サンプルの調製が可能であり、従来のHILIC法よりも糖鎖解析時間が最速で5分の1短縮されます。これにより、グリコシル化の変化をすばやく検出できるため、生物製剤の働き・有効性・クリアランスに変化を及ぼす可能性のある糖鎖のプロファイリングに役立ちます。糖鎖の同定は自動的に行われるため、手動での糖鎖データベースの検索という面倒な作業は不要であり、人為ミスの可能性が低減します。SCIEXのソリューションは、分析メソッド開発の現場やQCラボにおいて生物製剤に関連する糖鎖の効率的な同定と定量化を可能とし、その結果として確実な治療効果の導入に貢献します。

モノクローナル抗体（mAb）などの生物製剤において糖鎖種が不適切であると、抗体依存性細胞毒性（ADCC）または補体依存性細胞毒性（CDC）の増加／減少につながるおそれがあります。そのため、適切なグリコシル化は、生物製剤の有効性・免疫原性・クリアランスにとってきわめて重要です。良好な分離に基づく糖鎖情報が欠如していると（たとえば、フコシル化および非フコシル化構造の分離など）、患者や研究者施設が、結果を信頼できないというリスクにさらされる可能性があります。

キットに含まれる内部標準を使用することにより、生物製剤解析キャピラリー電気泳動システムPA 800 Plusのソフトウェアで、グルコース単位（GU）を直接計算できます。内蔵されたGUライブラリは、そのまま使用することも糖鎖種を追加してカスタマイズすることもできます。SCIEXファーストグリカンメソッドのサンプル調製はBeckman Coulter社の自動分注装置 Biomekを使用して自動化できるため、ラボのスループットと効率がさらに向上します。

「従来の方法による糖鎖のプロファイリングは忍耐が必要であり、サンプルの調製に丸一日かかりました」。SCIEXのシニアプロダクトマネージャー、Mark Lies氏はこのように語ります。「糖鎖の自動同定ができるのはSCIEXのソリューションだけであり、サンプルの調製、定量化、同定にかかる時間を日単位から分単位に短縮できます。これによってラボのワークフロー効率を向上させることができるのです。」

SCIEXのファーストグリカンラベリング解析キットは先日、他の分析技術と組み合わせることで機能性が向上する点が評価されて、BioProcess International（BPI）の「Award for Best Technology Application – Analytical」を受賞しました。

ファーストグリカンラベリング解析キットの詳細については、こちらをご覧ください。

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