TripleTOF®システムにおける四重極のイオントランスミッションの仕組み


日付: 01/31/2018
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QSTAR®システムにおける四重極のイオントランスミッションは、以下のように動作します。:
TOFMSでは、全てのイオンがRFモードでQ1を通過します。一般的にイオンは、Q1およびQ2を質量範囲に応じた軌道で移動し、適切なイオン群がTOF分析部へ送られます。

このイオン群には、メソッド(Advanced MSタブ)画面で表示されるQ1 Transmission WindowのLow-mass側の80%のm/zから、High Mass側の約5倍程度までのm/zのイオンが含まれます(下図の例では、Low-mass 側m/z120の80%のm/z96から、High-mass側m/z400の5倍のm/z2000程度までのイオン)。古いQSTARシステムでは、マスレンジを100-2000と設定すると、イオンは二つのm/zを頂点とした三角形の範囲でQ1とQ2を通過します。

このイオン群の軌道(指定する質量範囲に応じて設定される最もイオンを透過するm/z値)は、TripleTOF®システムでは若干異なります。
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TripleTOF®システムの場合:
Q1トランスミッション機能は、QSTARシステムとTripleTOFシステムで非常によく似ています。四重極のイオントランスミッション特性が変更される度に(例えば、ドライブ周波数、質量上限など)、計算の係数/閾値に若干の変更を加える必要はありますが、QSTAR、TripleTOF、X500システム間で四重極のイオントランスミッション特性に大きな変化はありません。

TripleTOFシステムでも同じ原理が適用されている為、Q1でイオンは、異なる質量範囲をトランスミッションしている1つ以上のRF値の間で移動しています。全ての場合において、Low-mass 側のm/zに約0.8を乗じたm/zまでがカットオフされ、イオン透過の三角形の頂点からの勾配は非常に急になります。High-mass側に行くにつれ透過率は徐々に減少します。TripleTOF5600システムおよびそれ以降の新しい機種では、より高いドライブ周波数(QSTARと比較して)により、与えられたRF電圧で今まで以上の広い質量範囲のイオンを透過することが可能になりました。そのため、新しい機種では4~5倍よりも10倍近い効果的なイオントランスミッションが実現しています。