Analyst®ソフトウェアにおけるコリジョンエネルギー（CE）のデチューニング（Detuning）

研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。

問題の説明

Analystソフトウェアを使用したTriple Quad5500システムによるデータ取得時に、シグナルがサチュレーション（飽和）状態になる場合の検討策として、各MRMトランジションに対して最適ではないコリジョンエネルギー（CE）値を使用してみてください。

解決方法

各MRMトランジションにおけるコリジョンエネルギー（CE）パラメータのデチューニングをお薦めします。CEパラメータは、ある電圧範囲において明確な頂点を持つピークの様な形状を見せます。CE値を頂点の値から外すことで、シグナルがより顕著に減少することがあります。最適ではないCE値を選択する際の指標として、各トランジションのパラメータを最適化する時に取得したCE値をランピングさせたデータを参照してください。

各トランジションのDP値を調整することは、装置のレスポンスを低減させるのにあまり効果的な手法ではありません。最近のサイエックス装置におけるDP値のレスポンスは通常、ある電圧範囲においてピーク形状にはならず、横ばいです。DP値が横ばいである電圧領域では、DP値を減少させても、より高いDP値でも同じレスポンスをします。

発生し得るサチュレーションには、カラムサチュレーション、検出器サチュレーションおよびインソースサチュレーションのいくつかの異なるタイプがあります。可能であれば、更にサンプルを希釈してみてください。サチュレーション問題の解決に役立ちます。イオン化が装置の上限に達している、導入されたサンプル量に対して最大数のイオンを生成するインソースサチュレーションの場合は特に、希釈またはトータルのサンプル量を減らすことは有効な手段です。別のMRMトランジションの使用もまた、現在使用しているトランジションよりも強度が強くない場合には、装置のレスポンスを減少させる手法として検討してみてください。