SimGlycanソフトウェア

研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。

SimGlycanソフトウェア(PREMIER Biosoft Internationalの製品)は、SCIEX質量分析計で取得したMS/MSデータから糖鎖と糖ペプチド構造を予測します。これは、糖鎖付加と翻訳後修飾の研究を促進します。ソフトウェアは *.t2dおよび *.wiffファイルを直接処理できます。すべてのSCIEX機器から生成されるデータはMIDAS™ワークフローの新規サポートを含めSimGlycan Version 5.4(およびそれ以降)を使用して処理可能です。永久ライセンスが含まれています。ソフトウェアの機能のアップグレードはデータベースの内容を含めすべて初年度は無料で利用できます。その後引き続き製品を使用する場合はPremier Biosoft Webサイトで、1年単位で年間ライセンス料を支払ってこのライセンスを更新する必要があります。このソフトウェアはPREMIER Biosoft Webサイトからも利用できます。

概要

主な特長:

  • 糖鎖/糖ペプチドMS/MSデータ解析: 糖鎖/糖ペプチド構造はバッチ モードで独自の検索アルゴリズムを使用し、MS/MSデータと PREMIER Biosoftデータベース内の理論上のフラグメンテーションを一致させます。
  • 効果的なスコアリング: SimGlycanはプリカーサーm/zと保持時間*(オプションのパラメータ)を初期検索条件として使用して、候補構造のリストを生成します候補構造は対応する理論上のフラグメントイオンに一致する観測されたピークに基づいてスコアリングされます。最も単糖類の構成比が高く、スペクトル内で観測されたピークで説明されるフラグメンテーションパターンをもつ候補に最大スコアが付与されます。構成比が高い候補でもフラグメンテーションパターンが観測されたピークで説明されない場合はスコアは下がります。
  • 頑健なデータベース: SimGlycanデータベースは、22,456の糖鎖、22,814の糖タンパク質、11,438の既知の生物学的背景がある糖鎖、11,918の既知のクラスをもつ糖鎖、263の生化学的反応、194の生化学的経路、250関連糖鎖の酵素および 9,521の他のデータベースリンクで構成されています。データベースは継続的にアップデートされています。
  • 糖鎖 テンプレートの生成*: 糖鎖構造と LC 保持時間、カラム詳細、糖鎖クラス、生物学的背景、経路、反応、酵素および他の公的データベースへのリンクのような関連情報の保存ユーザーは対応するKCF(KEGG Chemical Function)ファイル形式でインポートしてデータベースに糖鎖を追加できます。複数のKCF ファイルをバッチで追加可能です。
  • MIDAS データベース* のダウンロード: MIDAS から高い精度で厳選された糖鎖構造をダウンロードできます。プログラムにテンプレートをカスタムデータベースとしてインポートし、糖鎖と糖ペプチド検索をこのテンプレートのみに制限することができます。これにより、糖タンパク質を分析する際に偽陽性を除去できます。
  • 糖ペプチドMS/MSデータ解析の簡単なワークフロー: 糖ペプチドの構造解析は配列またはペプチドの一部の質量を特定することで実行できます。単一または複数のペプチドをハイ スループットで検索するオプションが提供されます。
  • Analyst®ソフトウェアとの直接互換性: あらゆるSCIEX質量分析計から生成される実験MS/MSデータをインポート可能です。これにより、Analyst TF 1.6およびAnalyst 1.6.2ソフトウェアからコンパニオンフトウェア機能を使用してMS/MSデータを直接起動できます。
  • 可視化と比較: SimGlycanによりユーザーは糖鎖と糖ペプチド構造を可視化、変更し、その後実験を可視化された構造の理論上のデータと比較することができます。
  • 誘導体化した糖鎖: 誘導体化した糖鎖: 誘導体化していない切断糖鎖に加え、完全メチル化または還元末端の修飾に使用される化学誘導体で処理した糖鎖を解析可能です。カスタム還元末端修飾の糖鎖は修飾のデルタ質量を特定することでデータベースを検索できます。
  • LC-MS データ処理: LC-MSおよびMS/MSデータはピーク検出、分子の特徴による同定および自動MS/MSデータ解析のために処理できます。異なるLC-MSランで同定された糖鎖/糖ペプチドは保持時間に基づいて整列させて、比較分析を簡単にすることができます。
  • 糖鎖定量*: SimGlycanは糖鎖の相対定量を、カスタムおよび標準同重体レポーターイオンの強度に基づいて容易にします。

*SimGlycan Enterprise Editionでのみ利用可能です。

SCIEX装置の独自機能の活用: 広いマスレンジ、高感度、ソフトなイオン化により、MALDI-TOF質量分析法は、非誘導体化オリゴ糖類および多糖類の分子量決定で広く使用されています。従来、構造解析にはPSDが使用されており、配列と分岐についての情報を提供できますが、環状構造の開裂があまり多くないのでそのような実験から推定できる結合情報は限られます。

MALDI TOF/TOFシステムは、炭水化物分析(Aおよび X 系列イオン)用の環状開裂フラグメンテーションのための高エネルギーのMS/MSと、優れたプリカーサーイオンを組み合わせた唯一のSCIEX装置です。この装置では、結合位置および分岐点について、より多くの情報が得られるので、副次的な実験をしなくても、SimGlycanTMソフトウェアの自動検索ルーチンによって糖鎖を正しく同定し特性解析できます

QTRAPシステムは、ユニークなハイブリッド トリプル四重極リニアイオントラップ装置です。トリプル四重極スキャン機能(プリカーサーイオンスキャン、MRMなど)を高感度イオントラップMS/MSおよびMS3スキャンと組み合わせることができ、糖鎖と糖ペプチドプロファイリングについての感度と選択性の高い実験ができます。QTRAPシステムのユニークな装置構成により、MS/MSスペクトルは、3Dイオントラップで表示されるようなlow massカットオフがありません。後続のMS3フラグメンテーションスペクトルが得られ、構造研究を診断的なフラグメントを活用することで、SimGlycanソフトウェアの予測検索結果を確認できます。

2000 m/zの質量上限をもつQTRAP® 6500システムは複雑でハイブリッドなハイマンノース型糖鎖と糖ペプチドを十分に検出できます。Scheduled MRMTM Proアルゴリズムのソフトウェア拡張機能による抗体医薬品の定量糖ペプチド プロファイリング:

  • MRMを起因とした多チャンネルのMRMは、糖ペプチドへの一次トランジションが設定した閾値を超えている場合のみ、二次トランジションを取得することでdwelltimeとcycle timeを向上させます。したがって、より多くの糖ペプチドをスクリーニングすることができます。
  • MIDASTMワークフローを起因としたMS/MS取得は糖ペプチドに複数の一次トランジションが検出される場合のみMS/MSを取得します

濃縮作業なしで糖ペプチドの標的検出の効率性を向上

関連資料

タイプで絞り込む: