演者:
京都大学大学院薬学研究科教授
津川 裕司 先生
要旨:
脂質代謝を理解するためには、脂質分子を網羅的に捉えるプロファイリング技術と、異性体構造を識別する構造解析技術の統合が重要である。本講演では、データ非依存型取得法であるZT Scan DIA と、EAD MS/MSを組み合わせた脂質代謝研究について紹介する。ZT Scan DIAは、原理的にMS/MSスペクトルの取りこぼしが生じないだけでなく、データ内に格納されたQ1 binごとのMS/MS情報を解析することで、DIAデータからprecursor-product ion pair を高精度に抽出できる。我々が開発したQ1Dec法 では、スペクトルライブラリーとのパターンマッチングスコアが向上し、親水性代謝物および脂質の双方において、従来法を上回る網羅的プロファイリングが可能となった。一方、感度を重視したプロファイリングにはCID MS/MS が有利であるが、詳細な構造解析にはEAD MS/MS が有効である。ホスファチジルコリンやスフィンゴミエリンでは、sn位置、二重結合位置および水酸基位置異性体を比較的容易に識別できる。さらに、脂肪酸代謝物の誘導体化や、PS、PI、PEなどのナトリウム付加体を利用したEAD MS/MS により、構造リピドミクス手法の適用拡大が実現できることを最新の研究成果とともに示す。
Introduction:
メタボロームの測定を次のステップへ -進化したZenoTOF 8600 システム
株式会社エービー・サイエックス アプリケーションサポート
竹内 愛美
ZenoTOF 8600 システムの先進性と、本年発表されましたZT Scan DIA 3.0について、その機構と機能性について紹介いたします。
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