食品接触材(FCM)とは、製造、包装、保存、出荷の際などに食品と接触する素材のことです。時に、こうした素材の原料が容器包装から中の食品に移行(溶出)し、食品の性質を変えてしまうことがあります。
FCMにより食品が汚染され、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、世界的に見て、FCMは食品の安全性に対する懸念事項となっています。有害な恐れのある食品接触材の成分の例には、ビスフェノールA(BPA)、フタル酸エステル類、ベンゾフェノン類、ポリマー類、着色剤、インク類、その他の成分があります。FCMに関する欧州の法律では、ボトルなど、ヒトが摂取することを目的とした水と接触する容器包装材がその適応範囲となります。米国の場合、食品医薬品局(FDA)が国家レベルで食品接触材を管理していますが、カリフォルニア州など更に厳格な法律がある州もあります(例えば、カリフォルニア州法プロポジション65は、セラミック製およびガラス製の素材もその規制の範囲となります)。中国では、食品包装材や容器について、130の国家規格と125の工業規格からなる中華人民共和国食品安全法があり、この法律では、蒸発残留物や有害物質の移行(溶出)などに関する安全性要件が規定されています。
食品や飲料に関する化学物質の移行(溶出)検査ソリューション
LC-MS/MSを用いた食品用器具・容器包装検査ソリューションは、皆様のラボにおいて食品接触材を評価する強力なツールになります。このツールで検査が行われることにより、消費者は安心して食品の包装を開封したり、ボトルを開けることができるようになります。SCIEXのLC-MS/MSソリューションなら、食品のルーチン検査を行うラボの皆様が、食品サンプル中に含まれる可能性のある微量の汚染物質を信頼性を持って検出および定量したり、地域および国際的な規制に準拠した試験を実施することができます。何よりも、このソリューションは、特定の集団に対し、容器包装や食品接触材から溶出される可能性のある有害物質の摂取リスクがないことを確認するのにお役に立ちます。
食品の容器包装中に含まれる、0.01 mg/kgという低濃度の移行(溶出)物質を検出する頑健な分析手法。
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LC-MS/MSを用いてフタル酸エステルを分析する場合の検出における選択性と信頼性の向上 | ダウンロードはこちらから |